重機の価格はいくら?新車・中古やサイズ別の価格帯

重機の価格はいくら?新車・中古やサイズ別の価格帯

重機の価格は、車種はなにか、新車か中古かなど、さまざまな要素で変わります。新車で購入するなら200万~数億円、手持ちの中古重機を売るなら数十万円~数千万円が目安です。

この記事では、重機の価格を「車種別」「メーカー別」「用途別」に整理し、相場感と導入判断の目安をわかりやすく解説。建設会社や機械設備業者が、購入・更新・売却を検討する際の費用判断基準として活用できる実践的な内容をお送りします。

目次

重機の価格は車種によって幅広い!

重機の価格は車種によって幅広い!

重機の価格は、用途・サイズ・メーカー・装備仕様(油圧配管、バケット形状、キャビン装備など)で大きく変動します。

たとえば、小型ショベルカー(ミニユンボ)なら200〜400万円で導入できますが、大型ブルドーザーやクレーンになると数千万円〜数億円の投資が必要です。

また、建設・林業・解体など用途が異なれば、必要な出力・耐久性・タイヤ仕様も変わるため、同じメーカーでも価格差が出ます。

新車価格は200万~数億円

新車の重機価格は、メーカー・型式・サイズにより大きく幅があります。

一般的な相場としては以下のように分類できます。

区分 代表機種例 価格帯(新車) 備考
ミニユンボ・小型油圧ショベル クボタ U-10、ヤンマー ViO17 約200〜350万円 個人事業・狭小地向け。塗装や配管カスタムにより差あり。
中型油圧ショベル(ユンボ) コマツ PC200、日立 ZX200、コベルコ SK200 約1,200〜2,000万円 建設・解体現場で主流。CAT(キャタピラー)ではCAT320が代表的。
大型ブルドーザー・クレーン コマツ D155、CAT D8T、日立 SCXシリーズ 約3,000万〜1億円超 産業・鉱業・大型土木などに使用。発電装置や油圧機器仕様で変動。

近年は環境規制や油圧システム改良により、一部機種の価格が上昇傾向にあります。

コマツ・キャタピラー・クボタ・コベルコといった主要メーカーでは、リース契約やレンタルプランの導入が進んでおり、1日単位や時間単位での利用も可能です。

たとえばアクティオなどのレンタル企業では、「作業時間」「移動距離」「機種別料金」を基に料金設定が行われており、長期現場ではレンタルコストが購入価格より高い/安いを比較できるようになっています。

こうした柔軟な利用形態が広まることで、新車購入=唯一の選択肢ではなくなりつつある点も近年の特徴です。

中古の売却価格は新車の10~30%程度が相場

中古重機を売る場合の価格は、年式・稼働時間・整備状態・塗装・アタッチメント(バケットなど)の有無によって変動します。

基本的には新車価格の10〜30%前後が目安で、特に人気機種(コマツPC200、CAT320、クボタU-50など)は高値で買取される傾向があります。加えて、稼働時間(アワーメーター)が少ない個体も高価格帯での取引が一般的です。

一方で、解体現場・林業・鉱業など機械への負担が大きい現場で使われた重機は、油圧システムやタイヤ・配管の摩耗によって価格が下がりやすくなります。

車種別の重機価格相場(油圧ショベルやクレーンなど)

重機の価格を最も大きく左右するのが「車種」です。

同じ建設機械でも、油圧ショベル・ブルドーザー・クレーン・ロードローラー・ホイールローダーなどでは価格レンジがまったく異なります。

特に油圧ショベル(ユンボ)やブルドーザーは建設・解体現場での使用率が高く、中古市場でも流通量が多いため、相場は比較的安定しています。

以下は、代表的な重機種別の価格帯です。

車種 新車価格帯 中古価格帯
油圧ショベル(ユンボ・ショベルカー) 1,200〜2,000万円 200〜700万円
ブルドーザー 3,000〜8,000万円 500〜2,000万円
クレーン(ラフター・ホイール式) 5,000万円〜1億円超 800〜3,000万円
ホイールローダー(ショベルカー) 1,000〜2,500万円 200〜900万円
ロードローラー 600〜1,500万円 100〜400万円

メーカー別の重機価格相場(コマツやキャタピラーなど)

メーカーごとに価格水準や装備グレードが異なるため、どのメーカーの重機を選ぶかがコスト計画に大きく影響します。

例えば、コマツ・日立・CATは油圧技術・配管設計の精度が高く、油圧ショベルの動作安定性で他社より評価が高い傾向pan>です。一方、クボタやヤンマーはミニユンボ市場で圧倒的シェアを持ち、小型・軽量・低燃費を求める施工会社や個人事業主に選ばれています。

以下は、日本で特に流通量の多い主要メーカー5社の価格目安です。

メーカー 新車価格帯 中古価格帯 特徴
コマツ(KOMATSU) 800万〜2,500万円 200万〜1,000万円 国内シェアNo.1。信頼性が高く、部品・配管情報が豊富で整備性良好。
キャタピラー(CAT) 1,000万〜3,000万円 300万〜1,200万円 パワー・耐久性重視。輸出需要が強く中古でも高値維持。
日立建機 700万〜2,000万円 200万〜800万円 建設・港湾用が中心。油圧制御精度が高く、作業時間効率が良い。
クボタ 200万〜800万円 100万〜400万円 小型・ミニユンボに強み。農業・小規模工事で需要拡大。
コベルコ建機 1,000万〜2,500万円 300万〜1,000万円 解体・林業向けモデルが充実。燃費性能が高く静音性に優れる。

用途別の重機価格相場(建設や農業など)

重機の導入価格を検討する際、どの業種・用途で使うかによって必要な機能とコストが大きく変わります。

同じ油圧ショベルでも、建設用と林業用では構造・耐久性・アタッチメント構成が異なるため、価格も変動します。

用途分野 新車価格帯 中古価格帯 備考
建設・土木 800万〜2,000万円 150万〜800万円 最も市場が大きく、リース・レンタル利用も多い。
農業・酪農 200万〜600万円 50万〜300万円 小型で操作性重視。ボブキャットなども人気。
林業・伐採 800万〜3,000万円 200万〜1,000万円 傾斜地・不整地対応。マット履帯仕様や油圧補強型が多い。
港湾・船舶 1,000万〜5,000万円 400万〜2,000万円 大型荷役作業用。耐塩害仕様や油圧冷却強化モデルあり。
工作・製造 1,000万〜3,000万円 300万〜1,200万円 機器組み込み用途。発電機や制御機器一体型も存在。
産業廃棄物・解体 1,000万〜2,500万円 200万〜1,000万円 バケット交換・油圧カッター装備などで価格上昇。
鉱業・採掘 5,000万〜数億円 800万〜3,000万円 タイヤ・キャタピラ強化仕様でメンテ費も高い。

中古重機の買取価格を上げる方法4選

中古重機の買取価格を上げる方法4選

中古重機を売却する際に、同じ型式でも数十万円〜数百万円の価格差が生まれることがあります。

これは単に年式や稼働時間の違いだけでなく、業者選び・査定タイミング・整備状態・付属品の扱いなど、戦略次第で結果が大きく変わるためです。

ここでは、重機売却時に役立つ「高く売るための4つの戦略」を解説します。

①複数の買取業者で査定する

中古重機市場では、同じ重機 でも査定額が業者によって20〜40%違うことがあります。これは、買取業者ごとに得意な重機が異なるためです。

過去の取り扱い実績や整備環境、再販経路などによって査定額は異なるため、いかに「売りたい重機が得意な買取業者」を見つけるかが重要です。

まずは3~5社程度に査定を申し込み、標準的な相場と最高価格・最低価格を調べましょう。

②業者の販売ルートをチェックする

同じ重機でも、業者が「どの販売ルートを持っているか」で最終利益が変わります。

たとえば、国内再販のみ対応している業者よりも、中古重機の需要が高い海外輸出ルート(特に東南アジア・中東市場)を持つ業者のほうが高値をつけやすい傾向があります。

貿易会社直営や現地に自社拠点を持つ買取業者も多いため、高額買取を狙うならそういった業者を検討してみましょう。

③簡単な清掃や整備を行う

中古重機の査定では、見た目の汚れ・サビ・油漏れ跡・塗装剥がれなどが低評価につながります。そのため、査定前は可能な範囲で清掃や簡易整備を行いましょう。

特に以下の簡易メンテナンスは、少ないコストで買取額を底上げできます。

  • 塗装のタッチアップ(サビ箇所の補修)
  • バケット・タイヤ・ゴムマットの清掃
  • 油圧配管周りの漏れ点検・清掃
  • シリアルプレートの確認・整備記録の整理
  • キャビン・操作レバーの埃除去・内装クリーニング

できる範囲で良いので、買取業者に「丁寧に使われている」「こまめに整備されている」と思ってもらうことが大切です。

④付属機器(アタッチメント)もまとめて売る

重機を売るとき、付属機器(アタッチメント)の有無は査定額に大きく影響します。

付属機器があればすぐに使用可能なので、再販時の買い手もみつけやすくなります。買取業者としても保管や販売のコストを押さえられるため、その分査定額のアップが可能です。

取り外して長年使っていない付属機器でも、一緒に査定してもらえば高額買取が期待できます。

まとめ

まとめ

重機の価格は、車種・メーカー・用途・稼働時間・整備状態など多くの要素で変動します。

新車では200万〜数億円の幅があり、中古ではその10〜30%が一般的な相場です。

中古重機を高く売るには、次の4つを実行するのがポイントです。

  • 複数の業者で査定を比較する(市場価格を把握)
  • 販路の広い業者を選ぶ(輸出ルート・再販力重視)
  • 簡易整備・清掃で印象を上げる(低コストで査定額アップ)
  • アタッチメントもまとめて売る(セット評価で高値)

これらを意識することで、買取価格の底上げと資産回収効率の最大化が可能になります。

自社の大切な資産として、適正価格で重機のライフサイクルを最適化しましょう。

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